1.設計と図面について~ヒイラギセッケイジムショの場合~

image設計事務所の仕事としてまず、図面を書くことがあります。

「当たり前でしょ?それしかやらないんじゃないの?」と言われそうですが、設計事務所は図面をだけを書いているわけではありません。

事務所によって個性は違いますが色々な仕事をしています。

監理業務、建築現場でのチェックや指示なども仕事にありますし、場合によっては表札や看板のデザイン、さらに店舗コンセプトの打ち合わせグッズのデザイン不動産の購入時のアドバイス等、色々仕事があります。

その中でも中心の仕事は設計業務です。

設計というと難しく聞こえますが結局は、地道な作業の積み重ねです。
クライアントと打ち合わせをして、図面を書いて、修正、打ち合わせて、修正、打ち合わせて、修正、図面を考えている時間よりも打ち合わせが多い週もあります。人と話すことが嫌いな人は建物の設計には向いてないかもしれません。建築士会の青年企画委員会に行くと独立開業している建築士はすぐに分かりますね。

いい意味でほんとにおしゃべりです。ええ、いい意味で。

ホントですよ

さて、設計業務の中心の設計図についてです。

割と専門的な話ですので、建物を色々な角度から図面かするんだなぁぐらいに適当に飛ばして読んで下さい。

まず、大まかな全体の構成としては、配置や形(デザイン)を表す「意匠図(いしょうず)」と、建物の骨組み(フレーム)を表す「構造図」、そのほかに電気図、給排水設備図などがあります。

まず、意匠図からです。この中には物件の概要書、仕上表、位置図、平面図、天井伏図、屋根伏図、立面図、断面図、展開図、建具表、家具図、詳細図などが入ります。細分化していくとまだまだありますが、基本は上記の図面となることが多いです。

  1. 概要書:物件の内容です、住所、法規制、建坪率、容積率など色々な情報が書いてあります。
  2. 仕上表:外壁・屋根・部屋などの仕上を表記します。
  3. 位置図:建物の位置を指示します。平面図と併用することもありますが図面がゴミゴミしてしまうので、別々で表記しますね。
  4. 平面図:建物の平面図です。いわゆる間取り図です。レイアウトなどを確認できる、重要な図面です。
  5. 天井伏図:「てんじょうふせず」と読みます。わかりやすく言うと天井の平面図です。天井にある照明などの位置を図示したりします。
  6. 屋根伏図:「やねふせず」屋根の平面図です。
  7. 立面図:建物を東西南北に正面から見て図面です。できあがりの形状や高さ、外壁面の仕上や寸法などを表記します。
  8. 断面図:建物の断面を図示した物です。我々はこの図面と平面図で建物を立体視(立体的にイメージ)します。
  9. 展開図:部屋の中での正面図です。360°全ての方向を作成します。大抵は4方向の正面図を表記します。
  10. 建具表:建具の形や大きさ、数などを表記します。
  11. 家具図:造作家具などの図面です。
  12. 詳細図:縮尺が大きい図面では表記しきれない部分を表します。位置や形状、使用材料など意匠図は建築物の出来上がりを表記している図面です。

一般的な構造設計を行わない意匠設計事務所ではこの部分を作成します。枚数は大体30枚~50枚程度になります。このあたりは建築物ごとによって、設計者の考え方で変わって行きます。

2. 次は構造図です。柱、梁などの構造を表します。

①伏図:「ふせず」と読みます。平面的に表す構造材の名称によって名前が変わります。基礎伏図、1階床伏図など高さによって色々あります。
②軸組図:建物を立面的に骨組みが表記されています。
③あとは色々な構造的に必要な詳細図や鉄筋の配筋図などがあります。

以上、長々と書きました。読み飛ばしてくれましたか?(アレ?)

コレにプラスして、電気や給排水設備図などがつきます。最終的には40枚~60枚ほどになります。
もちろん、図面点数が少なくても建物は出来ます。極端な話、簡単な平面図と立面図の計2枚があれば建ちます。ただ、それではクライアントや見積者、現場監督、職人さんに正確に図面の情報を伝えることは難しいです。特にクライアントは極度まで省略された図面で実際の建物をイメージすることはとても難しいです


また、図面に表記してないところが多いと不正確な見積、不正確な工事になります。
設計の目標は工事を完成させるのが目標です。それを達成させるためには、やはり、ある程度の図面の枚数は欲しいと思うんです。「必要な図面を必要な枚数だけ書く」のが基本ですね(自分が設計する建物はちょっとだけ複雑なのもあるんですけど)。

また、良く、見積を数社でとって相見積(あいみつもり(略してアイミツ))をする。と言いますが。その場合全ての図面が揃って初めて正確な相見積となります。

平面図や立面図だけのアイミツでは個々会社の考え方(法律で許す最低限の仕様など)で金額が左右されて、同じ建物で見積をとっているわけでなくなっています。

さらに住宅メーカーに数社に頼むとなると、プランが違う、デザインが違う、床面積が違う、仕上が違う、工法が違う、コレはもう迷って当然です。仕様や部屋の造りにかなり差があるままでは金額のみの比較対象にならず、本当の意味での金額差がわかなくなります。

設計事務所に依頼しパートナー契約を結んで図面を作成された方のみが初めて本当の相見積が出来ます。

 

図面と設計はイコール(同じ物)ではなく実は設計の一つのプロセスなんです。

設計というものの、最後に到達するのが図面です。実は図面を無視する施工者の方もいます。勝手に図面と違う物に変えてしまう方もいます。

ただの紙に印刷してある図面ですが、設計という色々な考え方やクライアントの夢、思いが詰まっています。一枚とて無駄な図面、無駄な考え、無駄な思いはありません、少なくとも自分はそういうスタンスで設計しています。

図面の中にある設計を大切に扱って欲しいですね。